夜明け直前の東の空に飛行機が飛んでいた。 南アルプスは塩見岳付近の上空だ。大地も大気もカチン!と凍てついていた。 2月3日早朝。西の山に日が差してきた。 一刻一刻と輝きの面積を広げていく。暖冬だと予測されたこの冬だが、雪が多い。 家の横を通る小川に張った氷。作品1 自然は常に偉大な芸術家だと思う。作品2、作品3。 2月4日節分。数日後、庭先の片隅に蒔かれた「豆」を見つけた。 「鬼は外!福は内!鬼は外!福は内!」子供たちが白く凍てつく闇に向かって蒔いた豆だ。 節分を過ぎれば何となく日が長くなった感じがする。 午後の陽射しが雪原を照らし、秋の名残の草木が茫洋として影絵となった。 2月9日。風も無く暖かい快晴の一日だった。 春を告げるネコヤナギがすでに白い綿毛をさらしていた。 駒ヶ根高原家族旅行村は、静かな冬のたたずまいを見せていた。 松やクヌギの林の彼方に南アルプスが広がり、春めいてきた青空が美しかった。 クヌギの林の雪の布団の上にも、日の光が戯れていた。 雪の下には、敷き詰められた落ち葉の中で無数の生き物達が春を待っている。 冬の空に裸木が伸び伸びと枝を伸ばしている。 はるか彼方、南アルプスの塩見岳は、今日も凍てついているだろうか? 夏から秋にかけては戸外にあった君子蘭は、寒くなるに伴い屋内に移動。 そして今、陽だまりの中で大きな花を咲かせている。春を知らせる立派な花だ。 2月如月は短い月だ。春が待ち遠しいから短くしたのかもしれない。 今月も、東京へ、名古屋へ、静岡へ、また東京へと出張した。 寒暖の変化の激しい月だった。雪が降ったり、雨が降ったり、・・・・。 世界情勢も経済活動も、生活環境もなかなか定まらないご時勢である。
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