◆松◆ ◆松◆ ◆松◆
◆ようこそ、PINE HILLへ◆
August/1997

August・8月

◆中央アルプス◆ すっかり夏色になった中央アルプス。 このところ雲が多く、なかなかその姿を見られずにいました。
山が見えないと、なんとなく淋しいものです。 山は逃げては行きません。厳然としてそこに在るはずなのに、 見えないとなぜか落ち着かない感じがします。
一方、夏休みに入って観光客が飛躍的に多くなりました。
中央アルプスロープウエイは、この秋11月1日から1年間運休の予定です。



(1997/8/1)





◆桔梗◆ 深い紫色の花、桔梗。均整の取れた花びら。 ほうずきのようにふっくらとした蕾。 故郷の山にも見られる秋の花です。
しかし、最近ではこの花も滅び行くふるさとの花の一つだそうです。 秋の七草のうち、フジバカマは殆どその姿を見ることはなく、 やがてはこの桔梗も野山からは消え去る運命なのかも知れません。 開発という美名の下に、凄まじい勢いで、自然が、環境が、思い出が破壊されていきます。 そして希少植物と呼ばれる頃には不法採取が行われていくのです。

(1997/8/1)


◆サギソウ◆ 父が毎年咲かせているサギソウの花。
滅び行く故郷の花として、20年来育てています。
毎年球根から育て、すでに数千株を知人に分けてきました。
花の形はまさに羽を広げた白鷺です。
かつて、圃場整備を行う以前はあちこちの湿地に見られた花でした。 今、自然のものは殆ど皆無です。
最近、駒ヶ根高原の自然探勝園に移植を始めました。



(1997/8/1)



◆豆の畑◆

夏の夕暮れ前の光が緑の田や畑や山を覆う時、
遥か北の空もコバルト色に輝いている。
山の向こうに村が在り、その向こうにまた山が在り、
そのまた向こうに村が在り山が在る。
地上の生き物たちは昨日と明日のはざ間の中で生きている。



(1997/8/17)


◆夏の庭◆ 夏の庭は元気がいい。比較的に背丈の大きな花が咲く季節です。
草夾竹桃(おいらんそう)、たで、ダリア、アスター、ゼニアオイ、 オオハンゴンソウ。赤や白、黄色、桃色、青色、様々な花が咲き誇っています。
盛夏の中で、精一杯に大きくなって、蝶や蜂を呼び寄せています。
強い陽射しの中で咲く花もあれば、早朝に咲き、昼にはしぼむ花もあります。 かと思えば、夕方から夜に咲く花もあります。
人間も同じ、朝型の人もいれば、夜型の人もいます。 どちらがどうだというよりは、精一杯咲くのが素敵です。


(1997/8/17)


◆ノウゼンカズラ◆ 真夏の青空にオレンジ色に咲き誇るノウゼンカズラ。
つる性の落葉樹で、我が家では廃材の電柱や伐採した樹に絡ませています。
茎に吸着根があって木々をよじ登っていき、 葉は上部で玉のように生い茂り、花は房になって咲いています。 見上げるような高いところで咲くオレンジ色の花は、遠くから見ても見事です。 今年は台風が多く、大風に揺られて一本の木は残念ながら折れてしまいました。 中国が原産地で、遥か古来より栽培されているそうです。


(1997/8/17)



◆カンナ◆ 真夏の炎天の下、真っ赤な花を咲かせるカンナ。
芭蕉のような大きな葉っぱ。大人の身長をも超えんとする草丈。 庭の一角をしっかりと独占して、自己主張している。
その昔、ジャワやスマトラ、バリを旅していたとき、 南の国の強い陽射しの中でも、しっかりと咲いていました。 焼き煉瓦の茶色の建物の庭先で咲く原色の赤が、 なんとすがすがしい色だったでしょう。 あの南の島の濃い大気の中を、独立を勝ち取った8月17日が再びやってきました。



(1997/8/17)



◆夏の景色◆ 夏の日の風景は、止まった時計の中に飾られている。
いつ終わるとも無く続く、けだるい昼の時。
遠く近く蝉時雨の中を歩めば、ほとばしる汗の玉。
木戸を横切る川のせせらぎ。
川面には金魚藻の花が咲き、ひたすら水は流れていく。
時おり吹く風に木々がそよぎ、心がそよぐ。
夏の日の風景は、止まった時計の中に飾られている。




(1997/8/24)


◆芙蓉◆ 池の東に芙蓉の花が咲いています。 ふっくらとした大輪の花、清楚な桃色の花色。 次から次へと咲いて、私たちの目を楽しませてくれます。
池には鯉が元気に泳いでいます。 雨蛙や殿様蛙もいます。今年はとてもたくさんの蛙を見ます。 シオカラトンボやオニヤンマもやってきます。 ヘビもいますし、百舌も来ます。
咲くものもあれば、散るものもある、芙蓉は一日だけ咲く一日花です。




(1997/8/24)



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