 朝もやが消えかかる頃に大沼湖を訪ねれば、紅葉した落葉樹が、松の緑に溶け合っていた。 湖上には白雲が浮かび、その上を鴨の群れが集い、爽やかで静かな時が流れていた。  朝露にぬれた林を歩けば、かぐわしい落ち葉の香りと湿った大気が心地よい。 木漏れ日の小道を抜けると、頭上に輝く黄金の天涯。秋の林は豊かな時を刻んでいく。  11月４日、明け方までの雨が上がり雲が晴れれば、白く薄化粧した中央アルプスの峰。 今年初めての冠雪。いよいよ冬の近いことを空の青さの深まりとともに知る季節。   大豊作だった柿の実。渋柿なので皮をむいて干し柿に。サツマイモも干し芋に。 葉牡丹は鉢に移され、冬の準備。やがて漬物の時期を迎えようとしています。  中央アルプスが白く化粧をすれば、南アルプスもさらに白化粧。 山々は黄色や赤色、朱色や茶色に染まり、豊穣の宴を錦の衣装で祝っている。  駒ヶ根高原の中にある切石公園。そこには夫婦池と呼ばれる池が二つ。 晩秋の木々は柔かな日を浴びてたたずみ、時折吹く風が水面を揺らしていく。  小春日和の公園に続く唐松並木。 落葉する唐松と常緑の赤松のハーモニー。  11月25日、駒ヶ根太鼓30周年記念式典が駒ヶ根商工会議所大ホールにて開催されました。 早太郎神楽、青獅子囃子、駒舞の曲、勇み駒などの曲が披露され、記念式典が挙行されました。  春夏秋冬、朝に夕に見はるかす、ふるさとの山々。 悠かなる時の流れの中に、我もまた心に留めん、この秋を。 
|
