一泊二日の東京からの出張から戻ってきた。 中央道駒ヶ根インターを下りたのはちょうど夕暮れ時だった。 南アルプスが霧の中にうっすらとシルエットになって浮かんでいた。 千丈岳、北岳、赤石山脈、伊那山脈、見上げれば南天には六日の月が輝いていた。 1日2日東京、3日名古屋、8日9日東京。 中央アルプスの晴れた姿を撮ろうとするのだが、なかなかタイミングが合わない。 畑には、トマトや茄子、胡瓜が最盛期を向かえ、大根や白菜の芽が出てきた。 サトイモの葉に、水玉がきらりと光る季節となり、まさに白露の日を迎えた。 冷夏の夏から一転して、残暑厳しい日々を迎えている。 ここに来て、まるで季節が入れ替わったようだ。 しかし、庭の主役は夏から秋へと、確実に入れ替わっていく。 柔らかい桃色のシュウカイドウ、ホトトギス、白花ホトトギス、ヤブランが咲き競う。 11日快晴、残暑というより酷暑。真夏日である。 昼休みに、空を見上げれば、雄大な積乱雲。 お弁当持参で、カメラ片手に、河岸段丘の上の平へ。 稲穂が何処までも黄色く色ずく田圃の中、 刻々と姿を変えていくゆく巨大な雲を見ながらお弁当をほうばった。 12日朝、久しぶりに中央アルプスの全景が見えた。 出勤前にシャッターを押す。 風がコスモスを揺らし、隣には疲れ果てたヒマワリが首を折っていた。 この日も暑かった。新潟では37度Cを記録したとか。 台風一過のフェーン現象によるものらしい。 幾重にも重なる棚田の中腹に植えられた一本の木。 真青な秋の空の下、心地よい風にゆれていた。 まだ若い木は、精一杯枝を張って、気持ちよさそうだ。 何事もなく健やかに育てば、数十年、数百年、やがて見事な一本桜になる事だろう。 雲が激しく動く午後、 雲の切れ間から太陽がのぞけば、 純白の花を無数に咲かせた蕎麦の花が、白い波のように揺れている。 黄金色に染まる稲穂の波と、白い波は、交わることなく輝いていた。 14日、日曜日。久しぶりに休日にした。 午前中は和太鼓の練習に汗を流し、午後はゆっくり昼寝をし、 夕方からは敬老の日の準備に買い物に付き合った。 夕方、空を仰げば、巨大な積乱雲が天空に浮かび、 雲の合間をトンボがのびやかに飛び回っていた。 冷夏の8月、残暑の9月を過ぎて、実りの秋を迎えた。 稲の収穫は、場所にもよるが、大きな落ち込みにならずにいきそうだ。 我が家の「あきたこまち」はすでに臼挽きも終了し、反当り10俵を確保した。 減反で全体数は少ないが、悲観するほどではなく、父母の一年の稲作が終わった。 道草に、森の小道を行けば、 木漏れ日の中に、可愛らしい光の小玉。 まるで一族で遊びころげ、遊び戯れているようだ。 森の「光の妖精」達は、風に揺れ、風になびき、風にはしゃいでいた。 エノコロ草、またの名をネコジャラシ。 エノコロとは子犬のこと。子犬の尾っぽでもって、猫をからかう。秋ですね。 ***************** 9月30日、中華人民共和国建国五十四周年を祝い、 中日平和友好条約締結二十五周年を記念するレセプションが、 中国大使館主催により、 ホテルニューオータニ「鶴の間」で行われた。 久しぶりに懐かしい人々に再開し、熱い握手を交わした。 時代の変化の波と、時の流れの速さを感じさせられた。 **************「日中友好・万古長青」**************
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